『使える脳の鍛え方』を読んだのでメモ。
感想#
邦題から脳に関する内容を連想するがサブタイトルの通り学習の科学に関する内容だ。 効率的に学ぶために科学的にどのようにすべきかを実際の研究結果や事例に基づいて説明しているので読みやすい。 10代の頃によくやっていた「一夜漬けの勉強」や「短時間の間に教科書を何度も再読する勉強」は直感的には記憶に定着しやすいと思ってしまいがちだが、実は効率的では無いなど、もっと早くに知りたかった内容が多かった。 学生はもちろん社会人として学ぶ側の人だけでなく教育現場の人にも読んでもらいたい内容だと感じた。
メモ#
1 章 学びは誤解されている#
- 最初に読んでから充分時間をあけて再読することは有意義
- 短時間の間に何度も再読しても大した効果は得られない
- テストを学習の手段として使う
- 積極的な想起練習(テスト)は記憶が強化され,思い出すのが難しい練習ほど効果も高い
- 最初に読んでから充分時間をあけて再読することは有意義
2章 学ぶために思い出す#
- 省察は練習のひとつ
- 省察とは記憶から知識と過去の訓練を引き出し,新しい経験と結びつけ,次に試す違ったやり方を可視化し,頭の中でリハーサルすることだ.
- テスト効果
- 学習教材を見直すより,記憶から呼出す想起練習をするほうが記憶が定着しやすい
- これをテスト効果または想起練習効果という
- 想起練習は1回より複数回,間隔をあける方が効果が高い
- 学校の「現場」での効果を確かめる研究では授業で習ったことをクイズ形式で受けた生徒たちは成績が上がった
- 学習教材を見直すより,記憶から呼出す想起練習をするほうが記憶が定着しやすい
- 省察は練習のひとつ
3章 練習を組み合わせる#
- 間隔をあけて間に他の学習を挟んだ方が効果的
- 外科研修医の実験
- 四種類の研修を行う
- 半分のグループは一日に四種類すべての研修を受講する
- 半分のグループは一週間に一種類ずつ受講する
- 結果は一週間に一種類ずつ受講したグループの方が成績が良かった
- 作品の見分け方の実験
- 様々な画家の作品を学ぶ
- 集中練習で一人の画家の作品を学ぶグループ
- 交互練習で複数の画家の作品をバラバラに学ぶグループ
- 交互練習をしたグループのほうが画家と作品の組み合わせを選ぶテストで好成績だった
- 練習の間隔をあけて数回行うだけで,学習と記憶を強化し,定着させることができる
- ある程度忘れるまで時間をあけること
4章 むずかしさを歓迎する#
- 知識や技術を思い出すのが簡単なほど、記憶を定着させる想起練習の効果が少ない
- 望ましい困難は学習者が努力すれば乗り越えられるものでなければならない
5章 知っていると錯覚しない#
- 教科書の再読で勉強する学生はすらすら読めるようになったことを知識が身についたと勘違いし、テストで高得点がとれると過大評価する
- メンタルモデル
- 警察官が襲撃犯から武器を取り上げるときの動き
- バリスタが完璧な16オンスのデカフェ・フラペチーノを作る手順や材料の知識
- 能力不足で能力不足に気づかない
- ダイニング=クルーガ効果
6章 学び方を超える#
- 自分の専門知識が常に向上しているか確認する
- 想起、間隔、交互練習などの積極的な学習法を取り入れ、みずから攻めること
- メンタルモデルを作る
7章 能力を伸ばす#
- 専門家の技術の殆どは遺伝やIQの高さによるものではない
- 何千時間もの「計画的な練習の継続」のおかげ
- 努力を必要とする学習は能力の限界を広げる
- 専門家の技術の殆どは遺伝やIQの高さによるものではない
8章 学びを定着させる#
- これまでの章のおさらいとまとめ、各事例の紹介など